暗号解読(上)(下)

暗号。誰もがその秘密めいた言葉にワクワクすることだろう。それならばその暗号を解読するという行為は、秘密を暴くというこの上ない興奮を覚えるに違いない。

この「暗号解読」という本は暗号を作る側と解く側とを対比させて、その暗号が作られ、そして解かれていった時代背景を熱い人間ドラマを踏まえて綴っている。

暗号は思っていた以上に数学と深く関わっていて、また戦争などの歴史の節目には必ず使われてきたという事実に驚いたし、ドイツ軍のエニグマからロゼッタストーンまで幅広く暗号に関わるものが書かれていてとても興味深かった。

文系、理系を問わずに暗号とはこんなに面白いものだということが感じられる良書である。
(紹介者:フクイ)

暗号解読(上) (新潮文庫)

暗号解読(上) (新潮文庫)