世界の中心で、愛をさけぶbyまや
- 作者: 片山恭一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2001/03
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 329回
- この商品を含むブログ (393件) を見る
文章は平易でよみやすい。けど感情の起伏というか盛り上がりがない…。主人公サクが悲しいのかうれしいのか、どうしてそう思ったのか心に響いてきません。うーん。
さて、この本の読みどころはアキとサクの恋愛ではなく、もっと他にあると思います。
例えばサクの祖父。
サクのことを自分と感性が似ていると言う彼。愛した人とは事情で結婚できず祖母と結婚し、自分が死んだときには、愛した人と自分の骨をどこかに撒けと言い残す彼。
これが純愛なのだろうか?ワタクシ的には何十年も連れ添った祖母はどうなるんだろうとか思うわけですが(愛した人・祖母は祖父より先に亡くなっています)。
じゃあ愛する人アキを先に亡くした孫のサクはどういう行動を取るんだろう?…って読むとラスト6頁が泣けます。いろんな意味で。
人を愛すること、それに伴う悲しみは、どこから、どうして、くるんだろう。
どうやってそれを越えるべきなんだろう。
本自体は凡庸やなぁという印象ですが、ベストセラーになったということだけでも読んでおく価値はあります。でも純愛ブームも、もう3年前なんですねえ…。