『100回泣くこと』

とても優しいけれど、とても切ないお話。主人公が彼女とともに営む時間は穏やかで、心がふわっとあたたかくなるような幸せが散りばめられている。死にそうだった愛犬ブックが回復したり、ブックのためにとオートバイを彼女と二人修理したり、「結婚の練習」と称した生活を始めたり、と心温まるエピソードが綴られていく。けれど、そんな日常は彼女の病気によって一転してしまう。ずっと続くと信じていた幸せの時間が終わりを迎える。大切なものを失った主人公が選んだ生き方は?
ありがちな展開、と思うかもしれない。それでもぐっとくる切なさがある。
(紹介者:ホリエ)

100回泣くこと (小学館文庫)

100回泣くこと (小学館文庫)

幸せと切なさ。切なさの先にあるものとは?