『手塚治虫マンガ論』

初めまして。今年から学読班としてお仕事させていただく一年のサキコです。
さっそく本を紹介させていただきます。

手塚治虫マンガ論

手塚治虫マンガ論

タイトル通り、マンガの神様、手塚治虫先生についての評論です。皆さんは手塚治虫先生のマンガが幾つぐらいあるかわかりますか?

そのタイトル数、ジャンルが、実に豊富であり、一生かけて読み解けるかどうかわからないほどです。手塚先生の作品は『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』など、愛くるしいキャラクターが出てくる子供向けのマンガばかりだと思われがちですが、実は人間の善と悪、欲望、闘争といった重厚で陰鬱なテーマを描いた大人向けの作品も描いているのですよ。2009年に実写化された『MW』はその”黒い”手塚治虫を顕著に象徴するものです。

この本の第一章では「手塚治虫大史」「手塚治虫小史」がとりあげられ、手塚先生のあのカットとともに先生の漫画家としての生涯を追うという内容です。デビュー時から晩年まで、絵柄、作風の変化がわかりやすく示されています。ほかにも、漫画界そのものについて考察を深めた章や、ロック、ヒゲオヤジなどの「手塚スターシステム」キャラクターをとりあげた章があります。
・・・特に、手塚治虫先生の作風からそこはかとなく、時には粘着質ににじみですエロチシズム・グロテスクについて述べた章は必見です。

この本を読んで、手塚先生の作品に触れてみるのはいかがですか?
マンガ好きにぜひ読んでほしい一冊です。