奔流 (祥伝社文庫)

奔流 (祥伝社文庫)

どうも、か○やです。
『奔流』読み終えました。
買ってから、一体何度読んだことでしょう。扱っている時代、人物共に日本ではあまり知られていませんが、知識が無くても十分に楽しめます。内容は、魏晋南北朝時代中国の、南朝の梁と北朝北魏との争いと、とある中国説話を織り交ぜたものです。

主人公の陳慶之は、合戦においては負けなしの名将として描かれていますが、のほほんとどこか抜けていてその上欲が薄く、私的には竹中半兵衛に似ていると思います。陳慶之にとっては敵となるのは、文武両道に優れ、笛の名手でもある北魏軍の総帥中山王元英、その部下で、もはや神の領域といっても過言ではない程の武勇を誇る猛将楊大眼とその妻で美貌の女将軍瀋宝珠といった非常に魅力的な面々。彼らとの間で繰り広げられる数々の戦いは臨場感溢れた壮大なもので、読んでいて退屈しません。
また、冒頭で陳慶之と出会う祝英台については重大な秘密がありますので、ネタバレになってしまう裏面のあらすじは読まない方がいいでしょう。