不定期連載『たわごと』第四回 ひっとまん by???

標的に標準を定める。高鳴る鼓動。失敗はもう許されないが、焦ってはいけない。大丈夫だ、俺は世界一のスナイパー。何度も死線を潜り抜けてきた。俺は世界一のスナイパー。不可能などない。暗示をかけて集中力を高める。研ぎ澄まされる感覚。雑念が消えて静寂が訪れる。そして何度もイメージを繰り返す。完璧だ。あらゆる雑念が消え去り、奴が崩れ落ちる瞬間が完璧に映し出された瞬間、意識するまでもなく引き金を引く。確かな手応え。だが、奴は微動だにしない。何故だ…?

『お客さん、また外れだねぇ〜!これでもう10連続失敗だよぉ。まだやるのかい?』

オヤジの陽気な声が響く中、奴は何事も無かったかのように2段目の棚に鎮座している…

編集後記:今回は300字小説に挑戦してみました。結構難しいですね…